日本同様、細長く山がちな国土のイタリアで高速列車を走らせる為に1988年に登場したのがペンドリーノ(振り子列車)。日本でも中央線等で使用されている、カーブに合わせて車体が揺れるタイプの車輌です。
左は風光明美なボルツァーノの駅。
止まっているのは初代のペンドリーノETR450。

どうも私はジウジアーロデザインの最新鋭ETR500や460よりこっちの丸っこいETR450の方がかなり好きなようで、写真に撮っているのもこちらばかり。

0系新幹線に通じるものがあると思いませんか?

日本と同じく山がちな国土を持つイタリアは、半島中央部にアペニン山脈が横たわっているため、 鉄路は山を縫ってカーブが多くなります。
ぺンドリーノは1988年ETR450からスタートし、1995年にはETR460が登場、高速新線、"ディレティッシマ線"では時速250kmをマークします。
国が似れば列車も似るのか、 ヨーロッパにしては珍しくETRは日本のように電車で、450は8M1T、460は6M3Tの編成。 
ETR450は座席が狭苦しいと言われますが、 それでも300系のぞみが16両で座席数1320なのに対し、 450は9両で384席とゆったりめ。
編成出力は460で300系のぞみ(10M6T)の半分しかありません。
ちなみにシートは2等車でも2×2の配置となっています。


上ものんびりしたボルツァーノ駅の風景。


最近では、振り子式を使わない高速車両ETR500(下を参照)が登場していますが、こちらは高速新線(ディレティッシマ線 最もダイレクトだよ〜  といった感じの意味?)を時速300km近いスピードで駆け抜けます。 こちらはTGVやICEにならって機関車が牽引する列車タイプ。

ドイツのICEの他は大概の高速鉄道がTGVのバリエーションとなっているヨーロッパで、このような独自のカラーを持って 開発された列車があるということは意外に知られていません。そしてまた、 鉄道ファンの多くにも興味を持たれていないという事は大変残念です。


今後はボルツァーノあるいはミラノからの所要時間短縮を課題として、
経済の中心である北部地域を整備してほしいものです! トリノのオリンピックで変わるでしょうか?
(オリンピック以後、トリノから北イタリアを通りフランスに抜ける路線は
風光明美なECの路線から新造線を通るTGVに置き換えられました… ダメじゃん)

さて、こちらは最新型(2003年1月現在)のETR500。
フィレンツェ-ローマ間の高速新線は時速300kmをマークし、その名も「ユーロスターイタリア」と、何とかならんのか、その名前は!的な車輌です。

ETRでは覚えにくいとか考えたのでしょうかねぇ。
まるっこいフェイスでなんだかフィアットの車を連想させますが、走りっぷりやインテリアはむしろフェラーリ? さすがイタリアのスマートさが隠されていました!
でも上左の写真のようにETR500の横を自転車で小父さんが走り抜けたり、と、やっぱりのんきなイタリアです。
車体にはとても大きく「ETR500」と小さく「ユーロスターイタリア」と入っています。
…だったら何でそんな名前付けるの!?  いずれもベネツィア中央駅で。
いかにもイタリア的な赤い内装。定員が多い為、ちょっとゆとりはありませんが(これで1等です!)、とても機能的。
シートはむしろドイツのICEに似ています。
対座シートのまん中のベージュの仕切り板が邪魔で、足が延ばせないと思っていたらなんと収納式テーブルでした!
そしてワゴンでお姉さん達がコーヒーやらを配っていたのですが、リラ(2001年当時)を既に使い切っていたので「いらない」と断りました。しかし、「待てよ、ここは1等だし、もしかしたらサービスかも」と思って聞いたらやはり無料でした! ああ、セコい! しかしコーヒーにせずにカプチーノにすれば良かった。ここはイタリア、コーヒーと言えばエスプレッソでしたよ… ま、特急列車(エスプレッソ)で飲むにはこれが良いのかもしれませんが…
なお、2006年現在、「イーエス・スター」と改名されています。
その為、タイトル画像が「ペンドリーノ/ESスター/ユーロスター・イタリア」とえらい事になっておりますが、
ご了承下さいませ。




ホームに戻る


BlueLagoonPageに戻る