個人的にドイツの鉄道は外国の鉄道の中で、もっとも身近な存在となっています。
海外旅行が好きで、あちらこちらと行ってはいますが、 大概が貧乏旅行なので、どうしても移動は鉄道とバスが中心となって来てしまいます(ヒマもない為、 さすがにアメリカではそうは行きませんが)。
そんな中、最も信頼できる交通手段として、 ドイツの鉄道(DB=ドイツ鉄道株式会社)は欠かせません。

新幹線・スーバー特急ファンの私にとっては、DBの列車の中でも当然ICE (インターシティーエクスプレス)が今のところ最も好きな列車と言うことになります。 ICEは「ドイツの新幹線」として知られており、また、97年には大事故を起こしたという事でご存じの方も多いと思います。


上はミュンヘン中央駅
近代的な巨大駅
ICに混じってICEが停車しています。
上もミュンヘン中央駅。手前、左に停まっているのは
イタリア国鉄の客車。ミュンヘンからはオーストリア
を経由してイタリアに行く列車が何本も走っています。

列車番号は400番台で、電車区分ではありますが、日本の新幹線とは異なり、ドイツのほとんどの列車と同じく機関車が列車を牽引するタイプ。
それでいて、新造の新線区間内では時速250km、最高時速280kmにまで達します。
また、日本の つばさ こまち と同様、在来線に乗り入れ、やはり同様に単線区間さえあります。
しかし、もともとすべての線が標準軌であり、通常の特急車が超150kmで走行しているドイツではさして特異な訳でもなさそう。

左は新型の振り子型新幹線ICE-T(411/415)
マンハイム中央駅で?
右は1等客室内。日本で言えばグリーン車。全部で3タイプあり、先頭車両は全席同方向を向いたシートで、背の部分には液晶TVがついています。
もう1タイプはコンパートメント。1室5人がけで、固定テーブルも付いていますが、他のシートに比べ、やや狭苦しい気がします。 普通ICやECではコンパートメントが居心地良い分、ICEではちょっとがっかりですね。
写真の車両はクロスシートに大きな固定テーブル。
ヘッドレストも十分な大きさで羽枕は可動式。
リクライニングはE1系等と同様2箇所が動きます。
デッキとのドアはガラスで開放感溢れるデザイン。


車内にはコインロッカーもあり、食事にも安心して行けます。食堂車の他に 、ビュッフェも併結していて、 日本でもかつてそうだったような、ゆったりとした旅が楽しめます。
他の優等列車がそうであるように、頼めば 1等車の乗客には座席まで陶磁器の食器で飲み物等を持って来てもらえます。
また、デッキにはインフォメーションサービスとして、 液晶パネルが設置されていて、簡単な操作で現在の速度、 次の停車駅と到着時刻、ICEのいろいろについて見ることができ、また、 ステーションホテルの予約もこの端末ですることができます。

左はICE-2の車内。新造車では客室でも様々な情報が表示されています。
このように、 日本の700系のぞみやTGV等と比べても遥かに優れた居住性を持った超特急列車です。(高速列車で張り合えるのは、 ユーロスター・イタリアやタリス位かも) 特にICEスプリンターはかつてのルフトハンザ連絡列車やユーロスターのように、あたかも航空機に乗っているかのようなサービスを提供しています。
基本的に、実はICEの予約は不要ですが このICEスプリンターのみは要予約です。
右はICE-Tの連結器。
JR東日本系の新幹線のように併結します。

ついにオーストリアにもICEが2001年より乗り入れを開始致しました! 2002年5月現在、ハンブルク・アルトナ駅からウィーン西駅まで1日1往復です。そして!列車名がわが愛しの"プリンツ・オイゲン"号です!! 従来、ウィーンからドイツの軍港都市キールを結んでいたEC(国際特急)の愛称が転用されました。 写真はウィーン西駅で。

他のヨーロッパの特急と同じく、 各列車ごとに固有の愛称がついていて、
一昨年乗ったのは "ヘラクレス"と、ディズニーファンにとってちょっと嬉しい
ものでした。愛称の多くは時刻表にものっています。

1991年の開業以来、ダサイダサイと言われたルックスですが、 なぜか日本の列車がこのダサ顔に
似て来た気がします(E1とか特に…)。 カラーリングはこまちちゃんのイメージにやや近い…?
現在すでに後継車両や、 走行区間に応じた様々なバリエーションが登場しています。



ちょっと余談ですが、子供の頃、あの往年の名列車、
TEEラインゴルト号に乗った事があります。
とにかく強烈な印象でした。
上はユデタマゴ103型電気機関車が牽引する
ラインゴルドのパンフレット写真(ドイツ国鉄時代)。

右上は当時のチケット。 TEE(トランスオイローパエクスプレス=ヨーロッパ横断特急)のロゴが見えます。
TEEの旅情をICEに望んではいけないと言う声を聞きますが、しかし現在のICEでもビジネスライクな中に、 ドイツ人の旅に対する思いを垣間見ることはできます。



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