2007年5月17日
最初に、pica
「pica」というのをご存じでしょうか?
私はつい半年程前迄、全然知りませんでした。
ピカ、パイカ--異食症(氷食症)という困った症例の事です。
小さな子供などは興味半分で何でも口に入れてしまいますが
この異食症というのは明らかな、抑えきれない食欲(?)を持って
"あるモノ"を摂取する傾向がある症状を指します。
子供だけでは無く、思春期や妊婦にも多く見られるそうです。
その対象物は人によって様々ですが、よく言われているものには
氷、土、石ころ、チョーク、生米、髪の毛、茶葉などから始まって、
シャーペンの芯やら片栗粉やら消しゴムやら、
普通の人ならおおよそ食べたいとは思わない物が続きます。
また、これらはほとんどの場合熱を加えて通常の食物に加工する事なく、
ガリガリ、ポリポリ、シャクシャクという食感を楽しみます。
私の場合は幸い、氷と飴(銘柄は絶対的に決まっています)でしたので
友人や同僚から気持ち悪がられる事はなかったのですが、
とにかく病的に飴を購入するので経済的にキツかった(笑)のと
飴や氷をガリガリと噛む為、歯が欠けたり口中怪我をしたりと結構辛い状態でした。
2005年の夏に風邪をこじらせて、1ヶ月以上も咳が止まらず
職場でのど飴を常に傍に置くようになったのがそもそもの始まりでした。
風邪が治ってからも飴が手放せず、段々食べる量も増えて行き、
毎日1袋半〜2袋は食べるようになりました。
ぺットボトルのお茶を凍らせて、冬でもかじっていました。
そんな感じに1年あまり経った頃、たまたまネットで異食症というのを知りました。
某巨大掲示板で異食症まがいの人たちが集るスレッドがあって
「ああ、普通の食べ物で良かった」「ここの氷はおいしそうだ」
などとそこでしばらくロムっていました。
ここのおかげで、大人の異食症の原因はどうも鉄欠乏性貧血にあるようだと知りました。
確かに私もこの頃行われた会社の健康診断でも貧血について"再検診"と言われました。
なぜか多くの内科医には知られておらず、医者で訴えてもバカにされる事も多いようですが
私も「そろそろ異食症を卒業しないと歯がヤバい、どうせ再検診しなきゃいけないんだし」
と出かけた医者2件で「ハァ?」とぞんぞいな対応をされました。
最初に行った、近所の人気の医院に
「貧血を治したいんなら治しますよ。まず潜血検査をして…」
いやいやいや、潜血検査なら陰性だって健康診断の結果に出てるじゃないスか!
その上「変な物を取り憑かれたように食べる? そりゃあ内科じゃない。精神科に行って下さい」
とまで言われ、不信感バリバリで「結構です」と帰って来てしまいました。
結局、家からはちょっと離れた、現在は若院長が診察をしている個人病院に行きました。
当時の血色素量は8.2g/dl、そこまでひどい数値では無かったのですが…
ここで半年程、鉄剤を処方してもらっては毎月血液検査をしているうちに
確かに異食症がなくなってしまいました!
欠けた歯の方も、大きく欠けた部分以外は表面にコーティングをしただけなので
時々磨耗してしまった分をコーティングしてもらっていますが良好です。
ひとまずやれやれ…?
投稿者 Taka : 2007年5月17日 16:07
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